バフェット流への誤解禁物 アップル依存で売り上手

【今週のマーケットエッセンシャル】第64号(2023年4月19日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

「日本株の再評価が始まった」などと、米著名投資家ウォーレン・バフェット氏による日本の商社株の買い増しに、市場関係者は沸いている。ただ、データを細かく分析する限り、同氏は「バリュー株の長期投資家」などではない。最近の収益源はもっぱらアップル株。売りの手早さでも市場を驚かせている。日本株強気論はいいとしても、虚像には躍らされないようにしたい。

大手商社5社の合計時価総額は4月18日現在で27兆5012億円に達する。バフェット氏が率いる投資会社バークシャー・ハザウェイは5社の株式を7・4%ずつ取得したというから、何と2兆350億円も持っている計算になる。超長期保有しているコカ・コーラ株の保有額253億ドル(3兆4000億円)には及ばないが、かなりのほれ込みようであることがわかる。

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