【今週のマーケットエッセンシャル】第121号(2024年5月22日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
総務省が5月17日に公表した2023年の家計調査の貯蓄・負債編は、多額の金融資産を保有する富裕層と、ほとんど金融資産を持たない貧困層との格差が一段と広がっていることを示している。資産形成がほぼ終わった60歳代でみると、貯蓄額上位20%と下位20%の金融資産格差は43倍。金融緩和政策の長期化に伴う株高や、企業の役員報酬の高額化が富裕層の金融資産を押し上げている。
平均1904万円、中央値1107万円
2023年の家計調査によると、2人以上の世帯の平均貯蓄額は1904万円と2022年の1901万円から3万円(0・2%)増加し、比較可能な2002年以降で最多になったという。内訳は流動性預金が660万円(構成比34・7%)、定期性預金が537万円(28・2%)、生命保険などが353万円(18・5%)、有価証券が323万円(17・0%)などとなっている。
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