今期も増益、過信は禁物 証券3社の企業業績見通し

【今週のマーケットエッセンシャル】第126号(2024年6月26日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

証券大手3社の2024~25年度の企業業績見通しが6月21日までに出そろった。2024年度の全産業の経常増減益率予想の平均値は6・1%の増益と、3カ月前の予想の7・1%増益からわずかに下方修正された。もっとも毎年6月に公表される「期初予想」がやや慎重になるのは毎度のこと。むしろ順調にみえる企業業績の先行きに落とし穴がないかが気掛かりだ。

2023年度に比べると減速?

今回の予想をひとことでいえば、「2024年度も2025年度も増収増益」となるが、円安が追い風になった2023年度に比べれば、伸び率は鈍化する。例えば野村証券の全産業(金融を除く)の見通しでは2023年度の3・9%増収、10・9%経常増益が2024年度には3・3%増収、5・0%増益と伸び悩む。2025年度は3・6%増収、8・3%増益に加速するが、2023年度の勢いには届かないという。

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