円安メリットで財政改善 日本が変わるきっかけに

【今週のマーケットエッセンシャル】第129号(2024年7月17日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

国際通貨基金(IMF)が7月16日に世界経済見通しを改訂し、日本の2024年の成長率予想を下方修正した。といっても東京株式相場はなぜか堅調に推移していて、海外の投資家からは強気の声も聞かれる。財布のひもをきつく締め、結婚や出産に慎重な日本人の多くは、日本の将来に強い不安を抱いている様子だが、円安が奏功し、財政破綻のリスクは遠のく可能性がある。

0・9%から0・7%へ下方修正

世界経済見通しはIMFが3カ月に1回まとめている。インフレが経済成長の足を引っ張るかどうかが世界的には関心事だが、今回は2024年の世界全体の成長率見通しを3・2%に据え置き、底堅い成長が期待できそうな姿を映し出した。インドの成長率を2024年は7・0%、2025年は6・5%と高めに置いたのも特徴だ。

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