「かくトラ」から「もしハリ」へ 「はて」が多い日本の不安

【今週のマーケットエッセンシャル】第130号(2024年7月24日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

米国のバイデン大統領が再選出馬を断念するまで、11月の大統領選は「かくトラ」とも言われてきた。トランプ前大統領の当選が確実というのだ。しかし、民主党からカマラ・ハリス副大統領の出馬が決まり、「もしハリ」の可能性も出てきた。世界はダイナミックに動いている。日本経済をリードするトヨタ自動車の経営トップが日本脱出を考えているような「はて」の多い日本で、新たな国際政治情勢に対応できるのだろうか。

豊田章男会長が7月18日に「今の日本は頑張ろうという気になれない」「ジャパンラブの私が日本脱出を考えているのは本当に危ない」と発言したことが話題になっている。本当に本社を海外に移転するのはハードルが高く、容易ではないと思われるが、トヨタグループ3社の自動車販売台数に占める海外の比率は8割を超えている。株主の意向次第では、「まさか」の方向に動きかねない。

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