上場廃止が新規上場上回る 人的・経済的負担が重い

【今週のマーケットエッセンシャル】第131号(2024年7月31日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

東京証券取引所への上場を廃止する企業が相次いでいる。東証の集計では2024年に入って7月末までにプライム、スタンダード、グロースの3市場で上場を廃止した企業は56社と、新規に上場した52社を上回った。2社を除き、上場廃止理由はMBO(経営陣が参加する買収)や完全子会社化などの組織再編。東証も上場企業は「数よりも質だ」と言い始めており、上場廃止はますます増えそうである。

プロマーケットを除いて比較

8月以降も上場廃止のペースが変わらないと仮定すると、年間の上場廃止企業数は初めて100社を超えそうだ。市場参加者をプロだけに絞っている東京プロマーケットへの新規上場が増えているため、プロマーケットを含む上場企業の数はグラフの通り、なお増加傾向をたどっている。プライム、スタンダード、グロースの3市場だけをみると、上場企業数は早晩、減少に転じる公算もある。

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