証券ベンチャー赤字続く 株急落は証券会社にも大打撃

【今週のマーケットエッセンシャル】第132号(2024年8月7日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

長い調整局面の始まりなのか、突然始まった東京株式相場の急落に、市場関係者も動揺している。証券ビジネスにとって気掛かりなのは、個人投資家の売買意欲への影響だ。証券会社の4~6月期決算は、好調だった1~3月期に比べて減収減益が目立った。スマホ専業証券などの証券ベンチャーの多くは2023年度も赤字の垂れ流し状態。相場の展開次第では風雲急を告げそうだ。

2ケタ増収も赤字額は横ばい

証券ベンチャー10社の2021年度から2023年度までの3年間の業績動向は表の通りだ。参考のために、SBIネオモバイル証券の2021年度と2022年度の業績も掲載した。SBIネオモバイル証券を除く10社の2023年度の合計営業収益は191億3500万円で、2022年度に比べて11・6%増加した。

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