【今週のマーケットエッセンシャル】第136号(2024年9月4日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
金融所得への増税の是非が自民党総裁選の争点らしいが、これとは別に今年は新たに厚生労働省が金融所得を医療・介護保険料に反映させようと目論んでいる。金融庁が税制改正要望で預貯金も金融所得の損益通算の範囲に加えるように求めていることも考慮に入れると、公的年金の受給を遅らせる人は、高齢医療費の自己負担割合が3割になりそうだ。その道筋の点と線を探ってみよう。
現物・先物・預貯金を一体化?
現行税制では金融所得の損益通算の範囲は現物グループと先物(デリバティブ)グループとに分かれている。現物グループは上場株式と公募投資信託と公社債、先物グループは株価指数先物・オプション、商品先物、外国為替証拠金取引(FX)などだ。どちらにも属さない非上場株式や暗号資産(仮想通貨)は別々の税制が適用される。銀行預金の利息は20・315%の源泉分離課税となっている。
コメントを残す
コメントを投稿するにはログインしてください。