NISAで動いた10兆円 日本株はなぜか売り越し

【今週のマーケットエッセンシャル】第139号(2024年9月25日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

金融庁が9月17日に公表した少額投資非課税制度(NISA)の利用状況調査によると、NISA口座を通じて証券市場に入った個人マネーは1~6月の合計で10兆1341億円になった。しかし、日銀が19日にまとめた資金循環統計によると、個人の国内上場株式の1~6月の売買は2719億円の売り越し。予想されていたこととはいえ、個人マネーの多くは海外に向かい、日本株は素通りされたようだ。

個人金融資産の0・46%が動く

日銀によると、個人金融資産は6月末現在で2212兆円だったから、投資収益を非課税にするという優遇策で、半年間に個人マネーの0・46%が動いた計算だ。合計10兆1341億円のうち、投資信託への積み立て投資だけに使える「つみたて投資枠」には2兆2178億円の資金が流入し、個別株でも投信でも買える「成長投資枠」には7兆9163億円の資金が流入した。

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