ハロウィーンは買い好機? 低PBR相場賞味期限切れ

【今週のマーケットエッセンシャル】第144号(2024年10月30日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

東京証券取引所が上場企業約3300社に資本コスト重視の経営への転換を求めてから1年7カ月。一般に「PBR(株価純資産倍率)向上要請」と呼ばれるが、ハロウィーンも目前に控え、さすがに低PBR株人気は一段落したようだ。PBRの引き上げを狙って自社株買いに取り組んだ企業も多かったが、自社株買いが特段、株価を押し上げるわけではないことも明らかになってきた。

解散価値下回る企業の割合

2023年3月末に発した東証の要請は、企業を清算して残余財産を株主に分配したほうがましだと考えられる「PBR1倍割れ企業」が多すぎるとの問題意識から発したものだ。しかし、グラフに示すように上場企業に占めるPBR1倍割れ企業の割合は、スタンダード市場では要請時とほぼ並び、プライム市場でも要請時の値に近づいている。

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