【今週のマーケットエッセンシャル】第147号(2024年11月20日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
2024年の株式相場もあと1カ月余りとなったが、若年層が投資への関心を強めるなかで、多くの企業が株主層の若返りに向けて動いている。筆頭格は2023年7月に1株を25株に分割したNTTだ。この9月末の株主数は約230万人と、株式分割前の3倍強になった。NTTの成功をみて、2024年に入って株式分割を実施した企業は200社を超えた。個人株主作りは買収防衛策の色彩も帯びている。
放置すれば減少の一途
個人株主数は放置していると、徐々に減少していく可能性が大きい。高齢者が終活の一環として資産を整理したり、相続人が相続税支払いのために売却したりするためだ。NTTの場合もグラフに示す通り、2015年3月末に74万2213人いた個人単元株主が、2019年3月末には62万945人まで減少し、新しい株主作りが課題になっていた。
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