トランプ劇場幕開けで動揺 余力ない中国経済に試練

【今週のマーケットエッセンシャル】第148号(2024年11月27日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

世界の株式市場がトランプ劇場の幕開けに動揺している。11月25日は米ダウ平均こそ大幅高になったが、東京市場の日本株は大幅に下落し、中国関連の日本株にも下げが目立った。中国経済はただでさえ成長率が急速に鈍化している。日本と中国の30年国債の利回りも逆転し、中国もバブル崩壊後の日本と同じような経済状態に陥る可能性が出てきた。2025年の世界経済は従来の延長線上ではなさそうだ。

突然のビザなし渡航解禁

11月22日に中国政府が日本を対象に、中国へのビザなし渡航を11月30日から認めると発表し、多くの関係者を驚かせた。解禁するのは、新型コロナウイルスの感染拡大を受けてビザなし渡航を停止した2020年4月以来、4年半ぶりのこと。実施期間は2025年末までと区切りながらも、滞在可能期間を従来の15日間から30日間に延長した。

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