大卒初任給30万円時代 中高年層は底入れ確認?

【今週のマーケットエッセンシャル】第155号(2025年1月15日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

厚生労働省が2024年末に発表した賃金構造基本統計調査の速報値は、すべての年齢層に渡って2024年に給与水準が引き上げられたことを示している。しかし、若年層は上昇傾向が加速したのに対し、中高年層は底入れが確認できた程度だ。大卒初任給を引き上げる動きも相次ぎ、有力企業では30万円も珍しくなくなった。人材獲得をめぐるゲームのルールが大きく変わったかもしれない。

またも逆風、氷河期世代

最初の表は大卒社員(2019年までは大学院卒も含む)の所定内給与額を2010年にさかのぼって年齢階級別に示している。大卒の氷河期世代の中心は1970年代生まれで現在、40歳代後半から50歳代前半に達している。その2024年の所定内給与額は45万8900円(45~49歳)と49万600円(50~54歳)だ。

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