賃上げしても消費は不発 ひたすら貯蓄の現役世代

【今週のマーケットエッセンシャル】第159号(2025年2月12日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

総務省が2月7日に公表した2024年の家計調査を分析すると、勤労者世帯の収入は増えているのに、将来不安が強すぎるためか、増加分の多くは消費に回らず、ひたすら貯蓄されていることがわかった。現役世代がおカネを使わない度合いは、新型コロナウイルスの流行で行動が制約を受けた2020年に匹敵する。賃上げが景気拡大に結び付くのか、疑問を感じるほどだ。

可処分所得は3万2000円増加

2024年の家計調査は物価が上昇基調となるなかで、家計がどんな行動をとっているのかを示すものとして注目されていた。世帯主が59歳以下の2人以上の勤労者世帯をみると、賃上げや女性の活躍などを背景に、実収入は2023年を3万3135円上回る68万1464円になった。

コメント

コメントを残す