【今週のマーケットエッセンシャル】第161号(2025年2月26日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
東京証券取引所には上場維持基準を満たしていないのに、既得権で上場し続けている企業が267社あるが、既得権が享受できる期限まで秒読みになっている。3月1日以降に迎える決算期末からは本来の上場基準が適用され、基準未満だと原則1年間の猶予措置を受けた後、上場廃止プロセスに入る予定だ。M&A(企業の合併・買収)などで切り抜けるところも出てきそうだ。
時価総額の引き上げ急務
2022年4月4日に東証が実施した市場区分の変更は、従来の1部、2部、ジャスダック、マザーズの4区分をプライム、スタンダード、グロースの3区分にするという内容だった。「看板の付け替えにすぎない」との批判も浴びたが、それぞれの市場区分の性格を明確にし、基準に合わない企業によそへ移ってもらう作業は少しずつ進んでいった。
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