毎月決算型はなぜいいか 金融資産より思い出資産

【今週のマーケットエッセンシャル】第169号(2025年4月23日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

金融庁がようやく政策の誤りを認め、毎月決算型投資信託を少額投資非課税制度(NISA)の対象に加えることになった。NISAの対象投信を絞る現行の制度は、資産形成の目的を金融資産づくりだけに絞っており、多様な人生の選択肢に中立ではないからだ。金融資産は相場次第で減りかねない。分配金で家族との思い出作りに励めば、死後も減らない資産を築くことができる。

古い知識は捨てるべし

当面、NISAで毎月決算型投信を買えるのは65歳以上に限るようだが、個人金融資産の6割以上は65歳以上が握っているので、金融ビジネスの担い手から見れば、全面解禁と大差ない。金融知識をアップデートできない金融専門家は相変わらず「NISAの哲学に反する」「資産形成につながらない」などと批判しているが、「毎月分配型投信はタコ足配当をする粗悪商品だ」などという古い知識は、捨てた方がいい。

コメント

コメントを残す