【今週のマーケットエッセンシャル】第173号(2025年5月21日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
5月20日に実施された20年国債の入札は大失敗に終わり、日本国債が信用不安と隣り合わせであることを改めて実感させた。「日本の財政状況はギリシャよりも悪い」という19日の国会での石破茂首相の発言が、財政破綻の憶測を呼んだからだ。日本を代表する大企業が大量の人員削減に動き、国民も不安になっている最中だ。経済の先行きを危ぶむ声が増える可能性もある。
応札倍率2・5倍、テールは1円強
20年国債の価格競争入札では、1兆8778億円の応札があり、うち7509億円が落札された。応札額を落札額で割った倍率は「応札倍率」と呼ばれ、入札の人気度を示している。今回は2・50倍と5月8日の10年国債入札で記録した2・54倍を下回り、2025年に入ってから最も低い水準になった。
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