共済も含み損拡大の打撃 超長期国債の金利上昇で

【今週のマーケットエッセンシャル】第174号(2025年5月28日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

超長期国債の金利上昇が金融機関の経営に大きな影響を与えている。日本生命保険が5月23日に発表した2025年3月期決算では、国内公社債の含み損が3兆6000億円にも達したという。ここで意外と忘れられているのが、共済が大量に国債を保有していることだ。特に全国共済農業組合連合会(JA共済連)は日本生命などを上回る39兆円もの国債を保有しており、含み損が急拡大している可能性がある。

財務省が対策議論へ

日本経済新聞の報道によると、財務省は6月20日に債券市場参加者を集めた国債市場特別参加者(プライマリー・ディーラー)会合を開き、超長期国債の金利上昇問題などを議論するという。満期までの期間が長いほど、債券はわずかな金利の上昇で価格が低下しやすく、100円前後で発行した40年国債のなかには、時価が50円を下回っているものもあって、保有する金融機関は多額の含み損を抱えている。

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