【今週のマーケットエッセンシャル】第176号(2025年6月11日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
野村証券と大和証券がまとめた企業業績見通しによると、主要上場企業の2025年度の経常利益はこれまでの増益予想が一転し、3・6~7・4%の減益となるもようだ。円高に加え、トランプ米大統領が繰り出す関税政策の直撃を受けることが要因。投資環境の不透明感から、市場への資金流入も細っており、3月末のロボアドバイザーの契約資産残高は3カ月前に比べ、小幅に減少した。
野村証券は減収減益を予想
大手証券の企業業績見通しは所属するアナリストらの個別企業の予想値を積み上げて作成するボトムアップ予想で、3カ月ごとに公表されている。2025年度の予想についてみると、前回の3月時点では野村証券が2・4%の増収と2・7%の経常増益、大和証券が2・7%の増収と4・5%の経常増益を見込んでいた。今回の見直しでは野村証券が0・9%の減収と7・4%の経常減益、大和証券が1・0%の増収と3・6%の経常減益という具合に、大幅に下方修正された。
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