銀行預金より投信や債券 個人マネーの流れ変わる

【今週のマーケットエッセンシャル】第179号(2025年7月2日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

金利の上昇基調を背景に、個人マネーの向かう先が明らかに変わってきた。日銀が6月27日に公表した2024年度の資金循環統計によると、銀行預金への資金流入が急減する一方で、投資信託への資金流入が大幅に増加し、17年ぶりに流入額で投信が預金を上回った。国債への資金流入も3倍になった。複数の統計を組み合わせると、資金に余裕があり、金利にも敏感な若年層がリード役になっていることが浮き彫りになる。

現預金にはわずか7500億円

日銀の資金循環統計によると、2024年度末(3月末)の家計の金融資産は2194兆6516億円で、2023年度末に比べ7兆5335億円増加した。株式や投信の購入、新規の預金など資金の流入から、預金の引き出しや株式などの売却を差し引いた資金の流出入(フロー)は、18兆6489億円の流入超だったが、3月末にかけての株式相場の下落などを背景に、金融資産の時価評価額が11兆1154億円減少した。

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