【今週のマーケットエッセンシャル】第183号(2025年7月30日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
投資信託を保有している顧客のうち何パーセントが黒字になっているかを示す「投信KPI(重要業績評価指標)」の最新データが出そろった。金融庁が2018年から年1回、報告を求めており、今回は8回目。それによると2025年3月末のプラス顧客割合は主要18社の平均で80%と、2024年3月末の94%から14ポイント低下した。販売会社ごとのデータのばらつきも広がり、各社の販売戦略の違いがほのみえた。
足元では大幅上昇の公算
投信の運用成績は4月以降、好転しているため、プラス顧客割合は足元では大幅に上昇していると思われる。しかし、3月末のデータの有用性は高い。1年前の2024年3月末時点でのデータは大半の金融機関が90%台に乗せていて、どんな販売戦略をとっているのかの違いを読み取りにくかったが、今回はデータからさまざまなことがうかがえ、個々の顧客が自分の投資ニーズに沿った金融機関かどうか、判断しやすくなるからだ。
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