【今週のマーケットエッセンシャル】第194号(2025年10月15日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
国際通貨基金(IMF)が10月14日に新しい世界経済見通しを発表し、世界全体の2025年の実質国内総生産(GDP)の成長率見通しを3・2%と、3カ月前の予想から0・2%引き上げた。強気というよりも、ようやくトランプ米大統領が繰り出す関税政策に振り回されるよりも前に想定していた水準に戻りつつあるイメージだ。新しい見通しにもとづくと、バフェット指標は120%にやや「緩和」された。
日本は底離れを実感できるか
IMFの新しい見通しでは日本の2025年の成長率見通しも3カ月前の0・7%から1・1%へ上方修正された。2024年の成長率との比較でも、わずか0・1%だったのが2025年は1・1%に高まるという見立てになる。2026年の成長率見通しも3カ月前の0・5%をやや上回る0・6%に上方修正した。物価上昇のなかで景況感の好転が実感できるかは不透明だが、底離れ感が出てくる可能性はあるだろう。
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