【今週のマーケットエッセンシャル】第196号(2025年10月29日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
日経平均株価が10月27日に初めて5万円台に乗せた。初めて2万5000円を突破した1987年6月3日から38年かけて、ようやく2倍になった計算だ。投資デビューが相次ぐ若年投資家も相場の押し上げに一役買っている。ただ、ニデックの不適切会計は上げ潮ムードに水を差している。一般投資家が泣き寝入りをしなくても済むように、日本の証券市場にもクラスアクション(集団訴訟)制度を導入すべきではないか。
個人の売買代金700兆円近くに
2025年の株式相場は5月ごろまでトランプ米大統領が繰り出す関税政策に振り回され、低調な日々が続いた。6月以降は市場のムードが好転し、個人投資家の株式売買代金も前年同月を大幅に上回る月が続いた。年初から10月第3週までの個人の累計売買代金は569兆円と、2024年に記録した631兆円の約90%に達した。このままの勢いが続くと、年間では700兆円近くに達する可能性もある。
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