【今週のマーケットエッセンシャル】第234号(2026年7月22日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
もう会社が有罪を認めた時点で決着済みと受け止めている人も多そうだが、5年前に表面化したSMBC日興証券の相場操縦事件に対する控訴審の判決は、日本が国際金融センターと呼べるかどうかの試金石になる可能性がある。会社の規則に従って売買をしたトレーダーにいきなり刑事罰が下るようでは、世界をまたにかけるプロ人材が「ルールの予見可能性が低い」と寄り付かなくなる恐れがあるからだ。
現場の5人は東京高裁に控訴
そもそも「相場操縦事件」と呼ぶこと自体、この問題に対する正しい見立てではないように感じるが、まず現状を押さえておこう。刑事訴追されたのは実行部隊の5人と管理側の1人、それと法人としてのSMBC日興証券だ。経緯を示す表の通り、会社自身と、管理側で最初から捜査に協力してきた杉野輝也元執行役員は2023年2月13日に東京地裁が下した有罪判決を受け入れ、一件落着となっている。
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