100円の国債が30円台 日銀は利上げ前に説明を

【今週のマーケットエッセンシャル】第238号(2026年8月19日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

長期金利(新発10年物国債利回り)が30年ぶりに3%台に乗せそうだ。日銀が保有している約518兆円の国債はすでに約54兆円の含み損を抱え、今後の利上げでさらなる価格下落は避けられない。問題は市場価格が30円台まで下落している国債も帳簿上、取得価格の100円前後で評価している点だ。ルール通りだと説明しても、内外の投資家の目には「損失隠しだ」と映るかもしれない。

国債には強制評価減の規定なし

日銀は会計規程の第13条2項で社債や上場投資信託(ETF)、不動産投信(REIT)について、「上半期末又は事業年度末における時価が著しく下落した場合には、減損処理を行う」と定めている。一般企業に適用する会計ルールになぞらえていえば、時価(市場価格)が取得原価の半値未満になり、回復の見込みがない場合には、強制的に評価損を計上するという決まりだ。

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