証券会社それぞれの「秋」 株式買うなら今がいい

【今週のマーケットエッセンシャル】第39号(2022年10月26日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

「株は5月に売れ(セル・イン・メイ)」という言葉を聞いたことがあるだろうか。米ウォール街の有名な相場格言で、5月の株価を境として相場が下落に転じる傾向があることを示している。ではいつ買ったらいいのか。実は今、10月の最終週だ。日本でも傾向はまったく同じ。1949年から2022年まで10月末に買って4月末に売ってきた投資家と、4月末に買って10月末に売ってきた投資家とでは、びっくりするほど運用成績に差があるのだ。

筆者は相場の先行きは誰にもわからないという立場だから、今回も相場見通しを語るわけではない。統計的な事実、しかも、アノマリーといって、なぜそうなるのかを理屈ではなかなか説明できない経験則を紹介するだけだ。ただ、不思議なことに、世の中には晴れの日が多い特異日とか、当たりが多く出る宝くじ売り場などもあるらしい。縁起を担ぐのならば、今が1年のうちで一番の株式の買い場と考えて動くのもありかもしれない。

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