個人にも「高金利」の解禁を 老後資金不足はすぐ解決?

【今週のマーケットエッセンシャル】第41号(2022年11月9日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

信用リスクなどを抱えた金融商品は別とすると、一般の国民が享受できる確定利回りの上限は10年物国債の0・2%程度だ。もし1・65%前後で取引されている40年物国債を個人も買えれば、国民年金と同じ程度の老後資産を個人も自力で蓄えることができる。変動金利の10年物個人向け国債も、日銀が利回り曲線を歪めているため、個人が「高金利」を享受できない。この結果、個人の前には仕組み債など危うげな商品ばかりが並ぶことになる。

昔の高金利を知る人は、0・2%も1・65%も超低金利には変わりなく、そんなものでは資産運用にならないと考えているかもしれない。しかし、政府が保険料払い込み期間を45年に延ばそうとしている国民年金を金融商品と考えた場合、その利回りは1・65%程度だ。国民年金制度を維持するのに巨額の税金が投入されているのだが、「国営」の年金制度は効率が悪すぎるのではないか。

コメント

コメントを残す