生保決算ダブルパンチ コロナ禍と金利高足かせに


【今週のマーケットエッセンシャル】第44号(2022年11月30日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

なぜか「猫の死骸」という言葉が耳に残っている。1980年代後半のバブル期に、新聞記者としてよく行った夜回り先で、当時の大手証券の首脳が「海も潮が引くと、目にしたくないようなものがごまんと沈んでいるのがわかる」と繰り返し、話していた。暗号資産交換業大手FTXトレーディングの破綻もその一コマ。日本の生命保険会社などリアルビジネスも、新型コロナウイルス禍と金利上昇の影響で、業績が急速に悪化している。

FTXがいかにずさんな経営をしていたのかが徐々に明らかになってきた。単なる1つのベンチャー企業の破綻でないこともわかってきた。米国の政財界を揺るがす大スキャンダルに発展しかねないと語る関係者もいる。日本でもバブルが崩壊した1990年代には、数々のでたらめが表面化した。FTXなど氷山の一角かもしれない。聞きたくない話がこれから次々と出てくるのではないだろうか。