悲惨度合いは主要国で最小 女性活躍で乗り切れるか

【今週のマーケットエッセンシャル】第45号(2022年12月7日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

12月12日の月曜日には京都の清水寺で恒例の「今年の漢字」が発表される。1995年から始まったこのキャンペーン、どんな字が選ばれるかで明るい年だったかどうかが浮き彫りになるが、経済統計を見る限り、感染症に加え、円安、物価上昇、実質賃金の低下などに苦しめらながらも、何とか乗り切った印象がある。悲惨指数(ミザリーインデックス)は主要7カ国で最も低い。カギを握ったのは女性の社会進出の拡大かもしれない。

12月6日の午前のニュースはサッカーのワールドカップで日本がPK(ペナルティーキック)戦の末にクロアチアに敗れ、8強進出を逃したことと、物価の高騰で2022年10月の実質賃金が前年同月を2・6%も下回ったことが繰り返し報じられた。実質賃金は厚生労働省の「毎月勤労統計調査」で調べている現金給与総額を、「帰属家賃を除く消費者物価指数」で割って、指数化したものだ。

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