NISA拡充で矛盾も拡大 「資本逃避」も進むかも

【今週のマーケットエッセンシャル】第46号(2022年12月14日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

少額投資非課税制度(NISA)の拡充案が固まったが、真理は細部に宿るから、細かな「仕様」まできちんと見極める必要があろう。折しも12月8日に公表された確定拠出年金統計を点検すると、「最近になればなるほど」「若くなればなるほど」外国株志向が高まっていることがわかる。本当に個人マネーの海外への逃避が始まりそうな勢いだ。

積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)、個人型確定拠出年金(iDeCo)、企業型確定拠出年金(DC)の3つの資産形成商品の残高(つみたてNISAは累計買い付け額)は2022年3月末現在で23兆3295億円だった。iDeCoの57・8%と、企業型DCの56・6%は株式投資信託だから、つみたてNISAも加えた3つの資産形成商品で買われている株式投信は14兆円強ということになる。

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