【今週のマーケットエッセンシャル】第50号(2023年1月11日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
岸田文雄首相は2023年を資産所得倍増プランの元年にするという。だからというわけではないだろうが、2022年の投資信託の運用成績は内外の株式から債券の全ジャンルにわたって平均値がマイナスになり、倍増に向けての発射台が大幅に低下した。初心者向けとして販売されることが多いバランス型も、分散効果が働かず、投資家を失望させた。ESG(環境・社会・企業統治)、フィンテックといった人気のキーワードも色あせた。
まずは2022年12月末までの1年間の投信の運用成績をジャンル別にみていこう。一般に投信のリターンは表向きの基準価格(専門家は基準価額と呼んでいる)の騰落だけでなく、税引き前分配金を再投資したと仮定して計算するが、最も厳しかったのが、ここ数年、投資家人気が高かった外国株式型、なかでもファンドマネジャーが投資先の銘柄を選別するアクティブ運用だった。
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