【今週のマーケットエッセンシャル】第51号(2023年1月18日公開)
主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)
長期金利の上昇が止まらず、日銀の腕力もいよいよ限界が露呈しつつあるようだ。保有国債の含み損が拡大しても、上場投資信託(ETF)が含み益を抱えているため、「実質債務超過」といった事態に陥るまでには、まだ多少ののりしろがありそうだが、問題はますます日本が八方ふさがりになってきた点だ。今回は後半部分で、金融庁のこだわりがいかに問題が多いかを指摘する。
日本経済新聞への経済学者の寄稿を読んで、暗澹たる気持ちになってきた。1月17日付朝刊の経済教室に「最近では、利子率が高い経済の方が経済厚生(社会全体の満足度)は高く、成長率も高いと主張する理論モデルが数多く生まれている」とのくだりがあったからだ。そんなことは多くの人が直感的に感じていること。何と経済学が遅れた学問なのか、ひたすら驚いた。
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