ひそかに始めた新規制 議論生煮えで見切り発車


【今週のマーケットエッセンシャル】第52号(2023年1月25日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

知る人ぞ知る話なのだが、今年から証券会社が個人顧客から株式の売買注文を受けた場合、単純に取引所に取り次いで売買を成立させることは原則、認められなくなった。より顧客にとって有利な価格で売買できる機会を探ることが基本となったのだ。しかし、対面営業の証券会社で新ルールに従うところは1社もない。議論も生煮えのまま、金融庁が拙速で動いているだけのようなのだ。

ここにきて世界の株式相場は上昇の勢いを強めている。特に欧州株はドイツ株式指数(DAX)が1月19日に2022年2月17日以来の高値(終値ベース)を付け、フランスCAC40も1月18日に2022年2月10日以来の高値(同)と勢いづいている。米ダウ工業株30種平均も約11か月ぶりの高値圏で推移している。ここまでのチャートを振り返ると、どうやら2022年9月末あたりが、世界の株式相場の陰の局(最も悲観に満ちた局面)だったようなのだ。


コメントを残す