日本経済なお下方修正 IMF、世界の回復に乗れず

【今週のマーケットエッセンシャル】第53号(2023年2月1日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

国際通貨基金(IMF)が日本時間の1月31日に新しい世界経済見通しを発表した。「1年ぶりの上方修正」だというが、日本経済に関してはなぜか実質的に下方修正だった。内閣府のマインド調査も国民が「これから物価上昇は勢いを増し、暮らし向きも悪くなる」と考えていることを示している。2022年4~12月期の決算発表が始まったが、銀行は純資産が細り、証券会社は低空飛行が続いている。

2022年2月2日に創刊第1号を発行した「今週のマーケットエッセンシャル」も、本号から2年目に入った。1年前の1月末の日経平均株価は2万7001円だったが、この1月末は2万7327円。2021年9月14日に記録した戻り高値3万0670円をなお1割以上下回っていて、先行きへの展望が開けたとはとてもいえない状況だ。

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