「超緊縮消費」続く現役世代 最新の家計調査で判明

【今週のマーケットエッセンシャル】第54号(2023年2月8日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

総務省は2月7日、2022年の家計調査の結果を発表した。女性の世帯主や、配偶者女性の収入が増え、勤労者世帯の可処分所得は増えているが、将来不安から財布のひもを固く締めていることが浮き彫りになった。2019年に話題になった「老後2000万円問題」を境に、家計の消費行動は一変した。年金生活者の月々の赤字は2年連続で増加し、単純計算で老後の資金不足は1000万円近くに達することもわかった。

まず2019年6月3日に金融審議会の市場ワーキング・グループが提起した「老後2000万円資金不足問題」が、その後の家計調査でどう変わってきたかを点検したい。このときの「高齢社会における資産形成・管理」と題する報告書は、2017年の家計調査報告をもとに、高齢夫婦無職世帯の月々の赤字額は約5万円だから、世帯主が95歳になるまでの不足分を足すと、約2000万円になると指摘した。

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