日経平均は改革の好機 逃せばいびつさが極限に

【今週のマーケットエッセンシャル】第56号(2023年2月22日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日本経済新聞社は日経平均株価をどうするつもりなのだろうか。2月末ごろには4月1日に大幅な株式分割を予定している指数採用の5社について、株価換算係数の変更を発表する見込みだ。しかし、株式分割をしなかったものとして扱う現行方式は、日経平均のゆがみを助長するだけ。東証の動きを受けて「平均株価」の精神に沿う方向に計算方法を変える好機だが、果たして大改革に踏み切れるか。

この件では1月27日に日経から先行して1つの発表があった。ユニクロを展開する超値がさ銘柄のファーストリテイリングが3月1日付で株式を1対3に分割する。つまり、発行済み株式数を3倍に増やして株価を3分の1程度にするが、これに合わせて日経は「日経平均の株価換算係数を従来の1から3に変更する」と打ち出したのだ。

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