投信の3分の2が対象外に 新NISAの線引きは疑問

【今週のマーケットエッセンシャル】第61号(2023年3月29日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

2024年から衣替えする少額投資非課税制度(NISA)に金融庁が新たな制約を加えるようだ。人気が復活しつつある毎月分配型の投資信託がすべて対象外になることはすでに決まっているが、ほかにも外国債券型のアクティブ投信と、テーマ型投信も対象外にするという。なんだかんだと現在、運用中の投信の約3分の2が除外される。そこまでする意義がどこにあるのか、筆者は大いに疑問に思っている。

国民的議論というのは大げさだとしても、関係者の間でそれなりに意見を戦わせ、決まったというのならば、やむをえない面もあろう。証券界や運用業界は少なくとも新NISAの対象商品は基本的に現行NISAを引き継ぐものと考えていた。ところが、今回はすべてが金融庁からの一方的通告による大幅変更。売れ筋商品の開発努力を無にするようなやり方には、言葉も出ないのではないか。


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