「5月に売れ」は本当か リターン確かに見劣り

【今週のマーケットエッセンシャル】第66号(2023年5月3日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日経平均株価は8カ月半ぶりに2万9000円台に乗せて推移している。しかし、「5月に売って去れ」という米ウォール街の格言は投資家の頭を離れそうにない。4月末から10月末まで投資する場合の運用成績が、10月末から4月末まで投資する場合に比べて明らかに見劣りするからだ。1885年以降の米国と、1949年以降の日本の相場動向を詳しく調べてみた。

本論に入る前に主な証券会社の2023年3月期決算に触れたい。未公表のSBI証券を除く主要13社合計の業績は、純営業収益が2022年3月期比6・5%減、最終利益が同52・8%減と不振だった。増収増益になったのは前年度の水準が低かった三菱UFJ証券ホールディングスと、若年層の口座開設が集中している楽天証券の2社だけだった。

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