株高どこまで本物か 最高値に挑む「理外の理」

【今週のマーケットエッセンシャル】第69号(2023年5月24日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日経平均株価は5月23日に9日ぶりに反落した。このところの強い値動きは多くの投資家にとって想定外だったが、実際に33年ぶりの高値を付けると、違った風景も見えてくる。企業の稼ぐ力の回復や、家計の収支構造の改善が日本経済の浮揚につながる可能性も出てきた。1989年末に記録した最高値の3万8915円まであと約8000円。格言では「強気相場は悲観の中に生まれる」という。

日経平均の5月23日終値は3万0957円77銭。バブル崩壊後の安値はリーマン・ショック後の2009年3月10日に付けた7054円98銭だから、その後の上昇幅は2万3902円になった。最高値からその後の安値までの下落幅は3万1860円だった。ようやくではあるが、その4分の3(75%)を戻したことになる。

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