株高信じない日本の個人 国内株投信は運用好調だが‥

【今週のマーケットエッセンシャル】第70号(2023年5月31日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日経平均株価は5月30日も上昇し、終値は3万1328円と1990年7月26日の3万1369円以来約33年ぶりの高値を付けた。国内株を組み入れる投資信託の運用成績も大幅に好転している。ただ、この株高は多くの市場参加者にとっては想定外。理由をめぐってはさまざまな解説が聞かれるが、まだ国内の個人マネーを株式投資に向かわせるほどの説得力はないようだ。

5月に入ってから第3週(15~19日)までの株式の投資部門別売買状況をみると、外国人投資家が1兆4738億円の買い越しとなる一方で、個人の現金取引は1兆3683億円の売り越し。個人が1カ月にこれだけ売るのは久しぶりだ。専門家が試みている株高要因の解説が、あまり個人投資家には響いていないことを示している。

コメント

コメントを残す