なぜ株高かのヒント1つ 80歳まで働ける国なら

【今週のマーケットエッセンシャル】第71号(2023年6月7日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

多くの日本人の人生に影響がありそうな政府の方針表明が相次いでいる。一つは2030年に女性役員の比率を30%にするという目標、もう一つは長期勤務を優遇する退職金税制の抜本改正だ。この結果、特に男性社員は老後の資金を簡単には蓄積できなくなる。人口減や少子高齢化の進展も考慮すると、経済活力の維持のためには、早晩、80歳まで働ける社会に転換する必要がありそうだ。

日経平均株価は6月6日に3万2506円まで上昇し、1989年末に付けた最高値3万8915円まであと6400円ほどに迫った。なぜこれほどの株高が続くか、明確な理由は見当たらず、キツネにつままれたような気分の投資家も多い。何しろ6月5日の米ダウ平均との数字の差は1056しかない。1月16日には8480もあったから、わずか5カ月で驚くほどの変化である。

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