「過熱指標」があの日上回る 銀行は株式をまだ売るの?

【今週のマーケットエッセンシャル】第72号(2023年6月14日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日経平均株価が6月13日に1990年7月19日以来約33年ぶりに3万3000円台に乗せた。この日の原動力は何といってもトヨタ自動車の「全固体電池」実用化のニュース。東証プライム市場の時価総額は810兆円と過去最高を更新し、市場にはさらなる上昇期待も漂っている。ただ、相場の過熱度を示す「バフェット指数」は1989年末に記録した水準を上回った。要注意である。

バフェット指数(バフェット指標ともいう)は株式市場の時価総額をその国の名目GDPで割った値だ。米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が注目しているためにこの名称が付いた。経済実態から遊離して株価が上昇し続けることはないとの考え方が背景にあり、基本的には100%を超えると相場は過熱圏にあると判断する。

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