野村は営業改革が完了? 証券ベンチャーは苦境続く

【今週のマーケットエッセンシャル】第79号(2023年8月2日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

証券会社の2023年4~6月期決算発表がほぼ一巡した。株高を背景に総じて好調だったが、目を引いたのは野村ホールディングスの営業体制の整備が完了したとの宣言。本当だとすれば前向きな話だが、一方で証券ベンチャーが7月末までに提出した2022年度の業績データをみると、10社合計の赤字額は185億円にも達していた。こちらは一部を除いて浮上のめどが立たない。

8月1日までに決算を発表した主要証券はSBI証券を除く21社。すべてが増収となり、合計の純営業収益(金融費用を差し引いた後の営業収益)は前年同期比21・5%増の8666億300万円だった。利益面ではSMBC日興証券とauカブコム証券の2社を除いて増益または黒字転換となり、合計では前年同期比201・8%増(3・018倍)の1084億2300万円だった。

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