「投信で損失」の顧客増える ラップ口座も4割が赤字

【今週のマーケットエッセンシャル】第82号(2023年8月23日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

投資信託を保有中の顧客のうち、何パーセントがプラスのリターンを確保しているかの公表を求める金融庁の取り組みがスタートから6年目を迎えた。主要19社の2023年3月末現在の共通KPI(重要業績評価指標)を平均すると79・2%と、1年前に比べて6・5ポイント悪化した。同時に公表されるラップ口座の損益状況は、11社の平均でプラス口座が60%にとどまった。

投信の共通KPIを公表させる措置は2018年に始まった。毎年3月末現在で投信保有中の顧客のうち、何パーセントが黒字かを報告するものだ。初年度の2018年3月末には、まだ集計作業の途中だったが、金融庁が「約半数の顧客が損失を抱えている」と発表し、大きな反響を呼んだ。

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