バナナたたき売りに成算は 超格安投信、ツケは顧客に

【今週のマーケットエッセンシャル】第90号(2023年10月18日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

少額投資非課税制度(NISA)の衣替えを2カ月半後に控え、大手のニッセイアセットマネジメントも超低コストのインデックス型投資信託を投入するという。「どう考えても採算が合わない」。ある運用会社の幹部は語る。こんなことが繰り返されると、投信市場は低コスト商品が席けんしてしまうかもしれない。顧客に一見、メリットがありそうだが、いずれツケが回ってくる恐れもある。

超低コスト投信の主流は、運用会社が運用資産から引き去る信託報酬が消費税込みで年率0・05775%だ。この種の投信に毎月5万円ずつ40年間積み立て投資をすると仮定すると、年率3%で回った場合、40年後の「元利金」は4586万円ほどになる。この間にファンドの純資産から差し引かれる信託報酬の総額は、税込みで42万7000円ほどだ。

コメント

コメントを残す