オルカン対S&P500 神学論争?答えはあるのか

【今週のマーケットエッセンシャル】第103号(2024年1月17日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日経平均株価は1月15日に一時、3万6000円台に乗せる場面があり、1989年末に記録した最高値更新も現実味を帯びてきた。年初の急騰の要因の1つは少額投資非課税制度(NISA)の大幅拡充だろう。ただ、NISAをめぐってはどんな投資がベストか、専門家の間でも激しい意見対立が起きている。「投資の基本がわかっていない」とお互いに言い募る状況だが、答えはあるのだろうか。

<オルカン一択が是か非か>

対立軸はいくつかある。1つは新NISAのつみたて投資枠も成長投資枠もすべて全世界株式に投資するインデックス投信(オルカン)に振り向けるべきか、つみたて投資枠はともかく、成長投資枠はもっと柔軟に活用すべきではないかという論点だ。もう1つはインデックス投信を選ぶのならば、オルカンがいいか、米国のS&P500に連動する投信がいいかという論点だ。

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