なお876銘柄「元本」割れ 配当込みでも過半が水面下

【今週のマーケットエッセンシャル】第109号(2024年2月28日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

日経平均株価が2月22日に1989年末に付けた最高値を更新し、相場報道はお祭り騒ぎになっている。しかし、当時から継続的に上場している1265銘柄の株価をみると、69・2%に当たる876銘柄は2月26日現在でなお1989年末の水準を下回っている。配当込みでも52・1%の銘柄はなお「元本割れ」の状態だ。「失われた34年」を克服したというのはまだ早い。

本稿では後半部分で米著名投資家のウォーレン・バフェット氏が率いる投資会社、米バークシャー・ハザウェイが2月24日に公表した2023年の財務報告を分析している。2023年の株式の売り越し額は241億ドル、2023年末に保有するキャッシュは1676億ドルと、ともに過去最高になった。同時に公表した「株主への手紙」でも米国内外の株式市場の状況を「カジノ的」と語るなど、慎重姿勢が目立っていた。

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