銀行株は深海魚なのか 株価水準「あの日」の5%も

【今週のマーケットエッセンシャル】第110号(2024年3月6日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

東京株式相場の上昇に勢いがつき、日経平均株価は3月4日に史上初めて4万円台に乗せた。といっても初めて3万円台に乗せたのは1988年12月7日だから、大台替わりに35年もかかったことになる。株高の裏でくすぶっているのは、かつてのバブル相場の主役の銀行株だ。1989年末に日本興業銀行株を買った投資家は、なお95%もの含み損を抱えている。

日本にはかつて都市銀行が15行あったが、1971年に第一銀行と日本勧業銀行が合併して第一勧業銀行になり、1973年に神戸銀行と太陽銀行が合併して太陽神戸銀行になったため、1980年代後半のバブル期には13行体制だった。これに日本興業銀行、日本長期信用銀行、日本債券信用銀行の長信銀3行を加えた16行が当時の金融界を牛耳っていた。

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