新NISA直前の個人金融資産 総額の2割がリスク資産に

【今週のマーケットエッセンシャル】第113号(2024年3月27日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

2024年からの少額投資非課税制度(NISA)の大幅拡充で証券投資に関心を持つ個人が増えている。その直前の個人金融資産の状況を日銀が3月21日に公表した2023年12月末現在の資金循環統計から分析してみた。非上場株などを含む広義のリスク資産の個人金融資産に占める割合は20・2%と過去最高水準だった。外国証券への資産分散も進み、預貯金大国もじわりと動きつつある。

2023年12月末現在の家計の金融資産保有額は2141兆円と、9月末の2121兆円を0・9%上回り、過去最高だった。このうち52・6%に当たる1127兆円を現預金が占めた。ただ、株式相場の上昇を反映して上場株式や投資信託の時価ベースの保有額も増えていて、広義のリスク資産の割合はリーマン・ショック後の2009年3月末の10・8%からほぼ2倍になった。

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