嫌われた日銀の本音 円安進行が資本逃避招く  

【今週のマーケットエッセンシャル】第19号(2022年6月8日公開)

主筆・前田昌孝(元日本経済新聞編集委員)

黒田東彦日銀総裁の「値上げ許容発言」は、2013年の就任以来、とにかくインフレにすれば景気が良くなるといわんばかりの金融政策を推し進めてきたこれまでの手法が、いかに国民の願いとかけ離れていたのかを図らずも浮き彫りにした。なぜ日銀が「安いニッポン」をもっと安くしてまで、市場金利の上昇を無理やり抑え込むのかも、よくわからないポイントだ。円安の反転リスクがあるにもかかわらず個人マネーはニッポンを嫌って海外に流れている。イーロン・マスク氏に指摘されるまでもなく、日本は消えかねない。


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